Crazy 8s(クレイジーエイト)は、Google Ventures の Design Sprint で広く知られるようになった高速アイデア発想手法です。
概要
A4用紙を8つに折り、各マスに1分ずつ、合計8分間でアイデアをスケッチします。時間制限によって「考えすぎ」を防ぎ、直感的なアイデアを引き出します。
なぜ効果的か
- 時間制限が完璧主義を排除する — 1分では「良いアイデア」を考える余裕がなく、思いついたものをそのまま描くしかない
- 量が質を生む — 最初の2-3個は「当たり前の」アイデアだが、後半になるほど新しい発想が出やすい
- 全員が平等に参加できる — 声の大きい人が場を支配することがない
- 視覚化が議論を促進する — 言葉だけでは曖昧なアイデアが、スケッチにすると具体化される
実施の手順
- A4用紙を半分に3回折り、8マスを作る
- タイマーを8分にセット
- 1分ごとにアラームを鳴らし、次のマスに移る
- 8分後、全員のスケッチを壁に貼り出す
- 各自が気に入ったアイデアにドットシールで投票
- 票の多いアイデアについて短い議論を行う
ワークショップで繰り返し見られるパターン
200回以上のワークショップで繰り返し見られるのは、1分ごとのタイマーアラームを「もう少し待ってください」と無視し始めるパターンです。初めて参加する方は「1分では描けない」と感じ、2〜3分かけてしまう。すると後半のコマに時間がなくなり、本来8個出るはずのアイデアが4〜5個で止まります。
実際にやってみると、タイマーを厳守した回の方が圧倒的にアイデアの多様性が広がります。 1分で「描ける」ものしか描けないという制約が、参加者を直感的な発想に向かわせるためです。最初の2〜3コマは誰でも同じような案が出ます。4コマ目あたりから「仕方なく変なことを描く」状態になり、そこから面白いアイデアが出始めます。
ポイント
- 絵のうまさは関係ない(棒人間でOK)
- 言葉での補足を加えてもよい
- 最初は練習ラウンドを入れると参加者が安心する
- HMWを大きく書いて見える場所に貼っておく
- 完成したスケッチはストーリーボードやプロトタイプのたたき台になる
参考文献
- Jake Knapp, John Zeratsky & Braden Kowitz, Sprint, Simon & Schuster, 2016(火曜日のSketchセクション)