アイデアが出ない会議には、制約を1つ足す——発想を動かす3つの制約の置き方
「自由に出してください」と言うほど、アイデアは似通ってくる。創造フェーズでは制約を外すと言われるが、発想が止まったときは逆に、制約を1つだけ足すと動き出すことがある。時間・手段・相手の3つの置き方を、架空のワークショップの場面で順に示す。
「自由に出してください」と言うほど、アイデアは似通ってくる。創造フェーズでは制約を外すと言われるが、発想が止まったときは逆に、制約を1つだけ足すと動き出すことがある。時間・手段・相手の3つの置き方を、架空のワークショップの場面で順に示す。
商店街の空き店舗を使った企画を考えるワークショップで、チームは30分ほど付箋を出し続けた。壁には「カフェ」「マルシェ」「コワーキング」「こども食堂」が並んだ。どこかで見たことのあるものばかりで、全員が手を止めた。
進行役は「もっと自由に、突飛なものでもいいので」と声をかけたが、出てきたのは「カフェ+本」「マルシェ+音楽」という組み合わせ程度だった。以下の場面は、説明のために作った架空のものだ。
自由にと言われると、案は似通う。何でもよい状態では、人は無意識に、一番思いつきやすい形に引っ張られるからだ。創造フェーズの基本は制約を外して量を出すことだが、発想が止まったときは、制約を1つだけ足すほうが動く場面がある。
「開けるのは、月に1日だけ」「営業は、午前の2時間だけ」のように、時間を絞る。
「お金をかけずに」「いまある棚と机だけで」のように、使える物を絞る。
「対象は、70歳以上の1人暮らしの人だけ」のように、使う人を絞る。
出したあとの選び方は別の記事で扱っている。足した制約から出たアイデアは、選ぶ段階で制約を外して見直してよい。
先ほどのチームは、「月に1日だけ」という制約を足して、5分間付箋を出した。「持ち回りの店」「その月の担当が決める日替わりの店」「前の月の担当が、次の担当に鍵と一言メモを渡す店」が出てきた。
次に、「いまある棚と机だけ」を足した。「不要な道具の持ち寄り」「棚の一段ごとに持ち主が違う貸し棚」が出た。
30分で出なかった形が、10分で出たわけである。そのまま採用するかどうかは別として、壁の付箋の種類は明らかに変わった。
最初の一歩は、いま止まっているテーマに「月に1日だけ」を足して、5分間付箋を出すことである。